障子の歴史

障子張替え 障子(しょうじ)は、日本家屋における扉、窓に用いる建具の一つで、明かりを通すように木枠に紙張りになっていて、明かり障子とも言います。
元来は現在の襖も含めて障子(さえぎるものの意)と言ったが、平安時代に「明かり障子」として襖から分離しました。
扉を閉じたまま採光できるという機能により広く使われるようになりましたが、ガラスやカーテンが普及するようになって使用は減りました。しかしガラス併用の障子なども作られ消滅することはありませんでした。現代においてはインテリアとしの評価の他、ガラス戸との組合せによる断熱効果、紫外線カット効果などで見直されつつあります。

障子の効能

障子だけのやさしい光

障子紙は光の透過率が40%から50%といわれています。丁度ガラスのような透明なものと、壁などの遮断物の中間にあり、日当りのあたたかい感じを残しつつ、直射日光を適度に遮り、そんな機能からUVカットにも役立っています。そして、障子に差し込んだ光は、各方向に散乱してどの方向から見ても均一に美しく明るく見え、室内全体を同じ明るさで、やさしくつつみこみます。


冬暖かく、夏涼しい

現代住宅において、断熱効果の関心は高くなりつつありますが、断熱のよい住居で一重ガラス窓の場合約40%の熱がガラス窓から失われてしまいます。しかし、それに障子を使用して<ガラス戸+障子>の二重建具にすることにより、その熱損失は約20%、半分近くも減少することができます。
また、障子には、直射日光をさえぎる機能があり、ガラスより約1/2日射熱を減少させることができます。夏の冷房時に日射による冷房効果が低減した場合、冷房効果を保持する効果があります。

空調効果

冬、こたつで暖まりながらも背中がゾクッとすることが。これは、低温の窓やコ ンクリートの壁にふれて冷やされた空気が床に沿って流れる、コールドドラフト(冷たい空気の流れ)が起きているのです。しかしこの現象は、室内の空気が直 接ガラス面にふれないよう〈ガラス窓+障子〉の二重建具にすることで軽減させることができ、寒い日もより快適に過ごせます。
一方、障子紙の多孔性というフィルター効果の高い特質も注目されます。自然な形で換気と清浄化が行われるため、機密性が高まった住宅環境でここ10年間に 倍増する幼児アトピーも、障子を利用すれば通気性がよくなり緩和されるでしょう。また、身体に有害なホルムアルデヒドや空気中のホコリ・ニコチンなども吸 収し健康的です。さらに、障子には吸湿性もあるため室内に湿気がこもるのを防ぎ、湿度の高い日本の住宅には最適な建具です。従って、これらの特長を効果的 に保つには、1年に1回は障子紙を張り替えるとよいでしょう。

リラックス効果

紙をとおしてさし込むやわらかな光は、忙しさに追われてストレスがたまりがち な現代人の神経をやわらげる心理的な効果があります。手術後の病人の回復にもたいへん効果的で、最近は病院にも障子が多く使われるようになりました。ま た、障子紙の長寿への5つの効果として、次のような指摘がなされています。

1・日光のすべての光と色を室内に伝えるので体が健康になります。
2・室温が外より高まると熱を外へ放出し、その逆の作用もします。 そのため夏は涼しく冬は暖かくなります。
3・湿度に関しても同様に調節します。
4・空気を濾過します。外気が障子紙を通って室内に入るとき、タール色素や排ガスの微粒子であるニトロン化合物などの発ガン物質を吸着します。
5・強い光をやわらげ、均斉度のある明るさを提供します。このように、障子紙は健康にとてもいい影響を及ぼしています。

現代住宅にもフィット

障子といえば和室というのが一般的なイメージですが、ちょっと見方を変える と、障子はとても現代的デザインといえます。紙の「白」と木の棧の「ベージュ」のシンプルなデザイン。それに加えて木や紙の自然味あふれる素朴な暖かさ… 自然やシンプルライフを強くもとめている現代にピッタリのインテリア素材といえるのではないでしょうか。また障子は、現代住宅が要求するかずかずの機能 (採光や断熱、プライバシー保持、通気性など)を充分にみたし、そして、やすらぎを与えてくれる現代的インテリアなのです。